シーシュポスの神話

リーダーに必要な「根源的問い」

「人は何のために生きているのか」について考えたことはありますか。この根源的な問いは本来若者が得意とする分野でした。大抵の若者が一度は考え、悩み、時には友人と意見を戦わせる大命題でした。「でした」と過去形で書いたのは、現代の若者はこうした根源的な問いについて考える機会が少なくなっているのではないか、と思うからです。答えの出る問いではないでしょうが、青年諸君にとっては一度は考えてみるべき哲学的問いだと思います。

 

 さて、この作品は、単行本でわずか8ページあまりの超短編小説です。シーシュポスは神の命令に背いた罰として、重い岩を山頂まで運ぶことを命じられます。しかし、山頂に着いたとたんに、岩は山の麓まで転がり落ちます。シーシュポスに課せられた仕事とは、その岩を再び山頂まで運ぶことです。これを未来永劫繰り返すというむごい罰です。

 

 しかし、カミュが言いたかったのは、これこそ人間の営みに他ならないということでしょう。この「人間の不条理」「生きる意味」について考えたことがあるかどうかは、特に社会のリーダーになる可能性のある人にとってはとても大切なことだと思います。なぜなら、リーダーは謙虚さ、深く思慮する力を必要とするはずですから。

 

 ところで、カミュはこの小説で「人生は大変なものだ」と言いたかったのでしょうか。それとも・・・