プロとしての覚悟
京都に京都市立堀川高校という進学校があります。この高校の玄関ホールに入ると、長大な「フーコーの振り子」が目に飛び込んできます。30メートルのワイヤの先に直径30センチ程の鉄球がついており、それが5階まで吹き抜けの天頂?からぶら下がっており、緩やかに揺れています。
いつまでも揺れ続けるこの装置は地球が確かに自転していることを見せてくれます。しかし、この「いつまでも揺れる」ことがとても難しかったそうです。振り子を結びつけた天頂部の摩擦が大きいと運動が止まってしまいます。摩擦を少なくするために、日本刀のように鋭く研いだエッジにワイヤの先端が乗せてあります。工事を受注した会社は、いくらやっても止まってしまう振り子を前に、納期までには調整ができない、と訴えたそうです。
これに対して校長は、「約束したときまでに約束を果たすのがプロだ。『できない』ではプロとしての自覚が足りないのだ。」と叱咤したそうです。業者は日に夜を継ぐ調整で納期に間に合わせたとか。この話は私たちにプロとは何かを教えてくれているような気がします。「私は果たしてプロか?」 そう自問すると私は答えに窮してしまいます。