「悪魔の辞典」の著者が定義する
さて、今日は私の専門とも関係あるのですが、あるジャーナリストのことを書きましょうか。
そのジャーナリストとは19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したアンブローズ・ビアスというアメリカ人です。新聞・雑誌に発表した箴言や警句を、辞書形式にまとめた文明批判の書である「悪魔の辞典」が有名です。例えば、ビアスにかかると、「弁護士」とは「法律の抜け道を見つける熟練者」の意味となり、「大臣」とは「権限は大きく、責任は軽い役人」となります。
では、「人間」はどう定義しているでしょうか?「これが自分の姿だと思う姿に、ひとり恍惚として思いふけり、当然あるべき自分の姿を見落とす動物。その主要な仕事は、他の動物たちと、自分の属する種族を絶滅させることである。しかし、人間は注目に価する早さで増加し、地球の住める所ならどこでもはびこる始末である。」
手厳しいですね。しかし、昨今紙面を賑わす出来事の数々を見ても、ビアスの定義は十分に的を射ていると言えそうです。
皆さんはこのビアスの定義に対してどう切り返しますか?